ご報告遅れましたが、4月17にから19日まで第38回与五沢矯正研究会in福島に出席してまいりました。
テーマは「成長期の上突咬合」~素質に迫る~。矯正治療に対する真摯でパッションに溢れた会場の空気は、この研究会に参加させていただくようになって30年ほど経ちますが、変わりません。
成長期の上突咬合は第36回からの継続したテーマです。難解な生体の成長発育の多様性についてのしつこいまでの追及姿勢に、改めて脱帽です。
与五沢先生のご講演、会員の先生方の症例提示、研究報告、シンポジウムと内容の濃い会でした。
大会長の樋口先生がおっしゃっる「元気になるつつある福島」で、しっかり勉強させて頂きました。
2016年6月1日 9:25 AM |
カテゴリー:医院からのお知らせ
肺炎は日本人の死因の第4位を占めます。肺炎にかかって死亡する患者さんの9割以上が65歳以上の高齢者です。
特に高齢者に多くみられる‘誤嚥性肺炎’が、問題となっています。
肺炎は、唾液などの飛沫を介して、細菌やウイルスが鼻や口から肺に入ることにより引き起こされます。
急いで食べたり飲んだりすると、むせることがあります。通常、飲み込む時は気道が閉ざされていますが、間違って気道に入りそうになると、咳をして肺に入るのを防いでくれます。しかし、高齢者や体力の低下した人では咳反射が起きずにむせることがなく、異物が気管支や肺に入って、‘誤嚥’が生じます。
このような場合、‘歯周病にかかっている人’ではさらに肺炎のリスクが高まります。口の中の歯周病菌が、唾液や食べかすと一緒に体内に入り込むと‘重篤な肺炎’を起こすことがあり注意が必要です。嚥下機能の低下は、就寝中少しずつ口の中の,細菌が入った唾液が肺に流れ込むことがあります。高齢者だけでなく、認知症の方、能卒中などを起こしたことのある人は要注意です。
誤嚥性肺炎を防ぐには
*飲み込みが上手くできるようなトレーニングをする。
*口の中の細菌を減らすよう口腔ケアをする。
老人ホームの入居者を対象に、歯科衛生士らによる専門的な口腔ケアをしたグループと、従来の口腔ケアを続けたグループを比較したところ、専門的ケアを受けたグループの肺炎の発症率は大幅に低下したという報告があります。唾液の分泌が少なくなり自浄作用が低下する傾向にある高齢者は、細菌が増殖しやすい環境にあります。舌の動きが鈍くなることによって自浄作用が低下することもあります。口の中の細菌が誤嚥されて肺に入らないよう、ブラッシングやうがいをよく行い、また入れ歯を使っている方はしっかりと手入れをするなどして口の中をきれいにするよう心がけしましょう!
2016年3月3日 6:21 PM |
カテゴリー:医院からのお知らせ
歯の喪失原因の大半を占める口腔の2大疾患は、「う蝕」と「歯周病」と言われます。
う蝕病原細菌は歯の表面でしか増殖することができませんが、歯周病原細菌は血液中に侵入して増殖できるため、血液に乗って全身に疾患を引き起こす危険性を持っています。
たとえば、心筋梗塞で亡くなった方の冠状動脈から歯周病原細菌が検出されたりします。さらに、歯周病原細菌は、その毒素によって、生きていなくても血中にあると全身に炎症を起こすことがあります。
歯周ポケットから発見されたため歯周病原細菌とされていますが、本当の標的臓器は血液の豊富な血管や心臓なのかもしれないという説もあるほどです。
また、循環器以外にも気道に入り肺炎などを引き起こしたり、間接的ではありますが、子宮を収縮させて、早産や低体重児出産の要因になると言われています。実際に早産や低体重児出産は、歯周病の母親に多いことが多くの研究からわかっています。
このように歯の喪失を防止し全身の健康を維持するために口腔ケアーが非常に大切にです。
2015年11月25日 8:19 AM |
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よく噛むためには。姿勢が大切?
日本歯科大学の丸茂義二先生の実験「おむすび咀嚼実験」をご紹介します。
おむすびを食べた時の咀嚼回数を3種の姿勢別(正座、足接地、足ぶらぶら)に調査したものです。被験者は成人歯科医29歳から57歳までの48名。
不安定な姿勢では噛む回数が少なくなり、背筋が伸びやすい正座が、一番よく噛めることが明らかになりました。正座平均92回、足接地77,8回、足ぶらぶら65,8回。表参照
小さい子供が、食事に集中できず、困ることがありますが、足元がぶらぶらしていませんか?全身が安定する姿勢はよく噛み、よく味わえる基本条件です。足台を置くなどの一工夫を。
毎日正座での食事は難しくても、姿勢を意識する、心掛けることは大切です。姿勢の悪さは、正しい咀嚼を阻むだけでなく、顎関節症の原因にもなります。
長時間のスマホの使用。特に若い成長期の方々は首や背骨に影響が出やすく、あごが圧迫されて口の動きも悪くなります。他にも横座りをする、足を組む、寝転んだり肘をついてテレビを見る、電車でのうたた寝などの生活習慣は、姿勢に悪影響を与えます。
さらに心のバランスも大切です。心配事があれば、人は自然と下を向きがちになり猫背の姿勢をとりやすくなります。
普段から自分の姿勢や食べ方、心の状態に少し意識を向けることが、結局、正しい咀嚼、顎関節の予防や改善につながると言えます。
2015年9月9日 9:14 AM |
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7月23日の朝日新聞の記事に、禁煙による糖尿病の予防効果を大規模調査で確認した国際医療センター調査の興味深い報告がありました。
関東などに本社のある八つの企業に勤める男女5万4千人について、喫煙状況を含む検診データを提供してもらい、その後4年間ほど追跡したものです。
糖尿病の発症にかかるほかの要因が影響しないようにして解析したところ、たばこを吸う人では吸わない人に比べ、1日11~20本の人で36%、21本以上の人で50%、2型糖尿病にかかるリスクが高かった。こうしたリスクは、禁煙しても期間が5年未満だと変化は見られなかったが、10年以上禁煙した人では、もともと吸わない人とほぼ同じだった。タバコの煙のせいで、血中の糖を処理するインスリンが効きにくくなったり、インスリンをつくる細胞の機能が落ちたりすることが考えらとのことです。
ご存知のように、糖尿病と歯周病は代表的な生活習慣病で、その生活習慣要因として食生活と喫煙が挙げられます。
糖尿病は喫煙と並んで歯周病の二大危険因子であるとともに、歯周病は第6番目の糖尿病合併症であります。
喫煙は糖尿病にも歯周病にも諸刃の剣と言えるのではないでしょうか?
2015年7月26日 9:33 AM |
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「妊娠中は歯周病になりやすい」とか「出産後は歯が悪くなる」などと言われ、昔は「子供が一人 生まれると、歯が一本無くなる」などとも言われました。 歯周病というと「中高年男性がかかっている」とイメージされがちですが、歯周病にかかりやすいのは妊婦とも言われています。 実際様々な原因で妊娠中の虫歯や歯周病のリスクは高くなります。ご自身はもちろんおなかの赤ちゃんのためにも十分な口腔ケアが必要です。
妊娠性歯周炎
妊娠中は「つわり」による食べ物の好みの変化や歯磨きの困難さ、胎児の発育による食事回数の増加などにより口腔ケアーがおろそかになりがちです。また、歯周病を起こす菌の中には、妊娠中に出される女性ホルモンを栄養とする細菌が存在します。加えて、唾液の粘性も高まるため、お口の自浄作用低下し、歯肉の炎症や出血がおこりやすくなります。 これを妊娠性歯周炎と呼びます。
歯周病とおなかの赤ちゃん
歯周病の妊婦さんは、早産で低体重の赤ちゃんが生まれる危険率が4,5倍という研究報告があります。これは喫煙や飲酒の有無、年齢などに比べて圧倒的に高い数字です。妊婦さんが歯周病にかかっている場合、歯周病患部から毒素や炎症を起こす物質が血液中に入って全身に運ばれ胎盤に刺激を与えると、胎児の成長に影響を与えたり子宮の収縮を促して、早産につながれるとされています。
妊娠前からの歯周病の予防や治療は元気な赤ちゃんのためにとても大切なことです。
妊娠中の歯科健診
妊娠中は虫歯や歯周病になりやすくなりますが、その初期症状に自分からは気づきにくいものです。つわりが治まる4~5カ月に歯科健診を受けて、必要があれば、比較的体調の安定した妊娠中期に処置を済ませたいものです。
歯科治療に当たっては、母子健康手帳を提示して産婦人科医から注意を受けていることは、必ず歯科医師に伝えましょう。できるだけ楽な姿勢で治療を受け、体調や気分が悪くなったときは、遠慮なくスタッフに声掛けしましょう。
赤ちゃんが生まれた後も気を付けましょう
生まれたばかりの赤ちゃんお口には、虫歯の原因になる細菌(ミュータンス菌)はいません。が、周りの大人が使ったスプーンで赤ちゃんに食べさせたり、かみ砕いた食べ物を与えたり、またキスすることによって赤ちゃんに菌を移します。
赤ちゃんとスキンシップをとることが多い周りの大人は日々の口腔ケアーに気をつけなくてはいけません。母親に虫歯がある子供とない子供を比べると、子供が虫歯になる確率はこんなに変わるというデータがあります。(上右グラフ)
2015年6月20日 8:26 AM |
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8020運動、ご存知の方多いと思います。
80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという運動です。少なくとも20本以上の歯があれば、ほとんどの食物を美味しく食べられるからで、そのため若いころから歯や歯ぐきの健康に努めようというキャンペーンです。
平成元年、厚生省と日本歯科医師会が健康長寿を目指して国民の皆様に呼びかけてきた運動です。この8020運動に加え、新たにオーラル・フレイルの予防で健康長寿をサポートしようという新しい考え方が加わりました。
フレイルとは、弱い、虚弱などという意味で、オーラル・フレイルとは口腔機能の低下を意味します。滑舌の衰え、食べこぼし、わずかのむせ、噛めない食品が増えるなどのわずかな口の衰えは身体の衰えと大きくかかわってきます。
虫歯や歯周病の治療や歯を失った時の治療を受けるのはもちろんのことですが、些細な口腔機能の低下を軽視しないことは大切です。
しっかり噛んで、しっかり食べて、しっかり動いて、社会参加。
健康長寿を8020運動とオーラル・フレイルの予防からサポートします。
2015年4月9日 8:06 AM |
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歯周予防には、歯口清掃が効果があり重要です。清掃には歯ブラシや歯間清掃用具が使われますが、今回は歯ブラシについてのお話です。
歯ブラシは、柄の部分と毛の部分と頸部からできています。
毛の部分は、一本が約200μmの太さのナイロン繊維が使われています。ちなみに、歯ブラシは毛が太くなればなるほど硬く、毛の長さが長いほど柔らかくなります。ナイロンは吸水性があり、歯に対する力のかかり方やしなり(弾力性等)もよい材料です。が、歯ブラシを使っているうちに繊維に目に見えない小さなひびができ、横からの力に対する「しなり」が低下します。肉眼的には、新しい歯ブラシの毛は透明ですが、使っているうちに白くなってきます。これは、小さなひびが増え透明感が無くなったことによるものです。歯ブラシの劣化を見極める指標になります。さらに劣化が進むと歯ブラシの毛先が開きます。新しい歯ブラシで磨いた場合のプラーク除去率を100%とすると、毛先が少し開いた状態だと81%、明らかに開いた状態だと63%と言われています。また、1カ月ほど使用すると、毛先が開いていなくても、毛の部分の適切なしなりが無くなりプラークを落とす力が弱まります。
日本では、年間1人当たりの歯ブラシの使用本数は約3.5本ですが、西欧諸国では20本程とかなりの差があります。
歯ブラシの使い方や硬さ大きさなどが歯口の清掃効果に大きな影響を与えますが、それとともに重要なのが歯ブラシの状態です。歯ブラシの使い方が適切でも、肝心の歯ブラシが痛んで機能しなければもともこもない訳ですから。
2015年3月8日 11:12 AM |
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取手市は平成27年12月18日取手市歯科医師会、一般社団法人茨城県南歯科医師会と、災害時における歯科医療の救護体制の協定を結びました。
協定の主なポイントは、
1.災害発生時の顔面付近の治療行為
2.避難所生活時の口腔ケア(避難生活時の不適切な口腔ケアから肺炎を発症するようなことが、阪神淡路、東日本大震災時に一定数認められたことなどをふまえて)
3.歯型からの身元確認
です。
大規模災害発生時に、歯科医師が避難所等で救護医療活動を行う体制を築き、市民の皆様の安全、安心につながることを目指しています。
2015年1月28日 11:54 AM |
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新年あけましておめでとうございます。
十分すぎる位のものに囲まれ「ひもじい」という言葉はもはや死語になりつつありますが、それでも「生きることは食べること」
赤ちゃんは手にしたものをまず口に入れる本能的動作をしますし、愛情のこもった食事は子育てそのものです。質の良い食事は健やかな人生を支えます。さらに介護予防は口から始まるとまで言われるようになりました。
食を支え、生を支える口。
本年も皆様のお役に立てますよう努力してまいります。
カズヨリ歯科矯正歯科一同
2015年1月5日 8:11 AM |
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